好きな刀工は南紀重国!
どうも、クリーク・アンド・リバー社 COYOTE 3DCG STUDIO モーションチームの濱川です。
さて早速ですが、皆さんは『手の内』という言葉をご存じでしょうか?
「手の内を明かす」という慣用句もございますが、そも『手の内』とは何ぞや?と。
現代においては剣道や弓道をはじめとしたさまざまな武道/武術分野で馴染み深い言葉かと思われますが、今回当記事で扱う『手の内』は、(メチャクチャ乱暴にまとめると)武器の握り方のことを指すこととします。
■こんな作り方、してませんか?
まず大前提として、『手にアイテムを持たせたキャラクターモデル』というものはバインドポーズ状態の掌に沿わせるようにアイテムが配置されているのが一般的だと思われます。
ここからアニメーションを作っていくワケですが、なまじ良い位置にアイテムがあるせいか、そのまま指だけを丸めて握ってしまうパターンを見ることがあります。
『コントローラーが多く集中する箇所だから、手数が多くて面倒…』『小さい箇所だし、ロングショットだとほとんど見えないから…』なんて気を抜いてたりしませんか?
もったいない…それは非常にもったいないですよ!!
■手の内を美しくするとポーズも美しくなる
説明の前に、手っ取り早く実例を用意してみました。
今回は『刀を突き付けるポーズ』を題材にして比較してみたいと思います。
パターンAは掌と刃が水平、パターンBは手の内を絞るイメージで作ってみました。
簡単に比較解説をば。
手の内を柔らかく動かせば、手首や肘の自由度が上がって窮屈さも解消しやすくなるかと思います。
特に日本刀は手の内の効果が非常に強く表れるアイテムと言えるかもしれませんね。
■手の内を作る意味って?
ちょっと横道ですが、手の内を作ることで体内でどういう効果が表れているのか、その効果のごくごく一部を簡単に説明させていただきます。
棒状の武器で対象を叩いた際、スイングと真逆の方向に衝撃が跳ね返ってきますよね。
その時、手の内がしっかり作れていないと返ってきた衝撃を上手く受けきれず、かえって自身がダメージを受けてしまいかねません。
これは棒状武器だけでなく、銃や弓など他の武器種、果ては素手でのパンチなどにも共通してきます。
どうでしょう、『手の内』を意識することによってポーズの説得力もアップしたのではないでしょうか。
■さいごに
いかがでしたでしょうか。
今回ご紹介した理屈や方法はあくまで僕個人のものです。
考え方は千差万別、十人十色さまざまなアイデアやテクニックがあると思いますので、本記事もほんの数%参考にでもなれば幸いです。
また、本記事のアイデアを実践するにはリグにもちょっとした工夫が必要だったりするのですが…
それは次回のネタとして取っておきましょう。
それではまた次回お会いしましょう!!
COYOTE 3DCG STUDIO
公式HP:https://3d.crdg.jp/
COYOTE 3DCG STUDIOはクリーク・アンド・リバー社が運営するゲーム専門3DCG制作集団です。
キャラモデル、背景モデル、3Dアニメーション、テクニカルアーティストによるツール開発などを得意としています。
新規立ち上げにおけるコンサルティングから量産制作まで幅広く対応可能な体制を保有しており、出向にも柔軟に対応しております。